お墓の歴史墓地の種類と特徴墓地選びのポイントお墓のしくみ墓石を選ぶポイント
埋葬の基礎知識改葬の基礎知識
 
 
お墓を建てるときには、住宅を選ぶ時と同じように価格だけでなく品質を考慮したいものです。それには、まず良心的な石材店を選ぶことです。寺院や霊園などと長く取り引きしている石材店に相談したり、トラブルが発生した時に保証責任を持つシステムを採用している「全国優良石材店の会」に加盟している石材店を選ぶのも、ひとつの方法でしょう。いずれにしても墓石の種類や特色などについては、事前にある程度調べておくと石材店との交渉もスムーズに進むようです。
 
 お墓の材料は昔から石が使われています。古来では石に霊が宿っているとされ、信仰の対象になっていたのが理由ともいわれています。現在の日本で墓石に使われる石の種類は300種を超え、国産のものもありますが、多くは世界各国から輸入されています。
  その中で代表的なのが花崗岩、いわゆるみかげ石と呼ばれる石です。硬質で耐圧力に優れ、風化にも強く、その上磨くと光沢がでる性質から、墓石に適した石材とされているようです。みかげ石と呼ばれるのは、神戸市の御影地区にある六甲山の斜面から良質の花崗岩が産出されたのが由来しているようです。みかげ石は石の色によって黒みかげと白みかげなどに区別されます。静岡県を境に西では白みかげ、東では黒みかげが好まれているようです。
 その他にも墓石に使われる石は安山岩、斑糲岩、閃緑岩などがあり、安山岩では神奈川県産の本小松石、山梨県産の甲州小松、斑糲岩では福島県産の浮金石が有名です。また、最近では石の代わりにステンレスやプラスチック、陶器などを使ったお墓も登場しているようです。
  お墓を建てるのに、昔ながらの石にしたり、新素材にしたり、カラフルな色や斬新なデザインなどと自由ですが、やはり墓地の中でのバランスや継承する子孫のことも踏まえて、慎重に決めたいものです。
 
●高太石
福島県産。淡い緑色を帯びた美しい石。高級外柵に多い。
●稲田石
茨城県産。中世代の黒雲母花崗岩。墓石や外柵などに使用。
●白小目石
茨城県産。小さな石めが揃い、昔から墓石に多く使用。
●北木石
岡山県産。淡黄赤色から灰白色で、中から粗粒の均一な石。風化に強い。
●万成岩
岡山県産。中から粗粒。淡紅色の長石を含むので"桃色みかげ"ともいう。
●ファイングレン
スウェーデン産。粒が細かく均質な最高級品の黒みかげ。
●インド赤石
インド産。赤系で光沢があり、洋型に多い。黒や白もある。
 
 土地や住宅を購入した場合には「不動産取得税」「固定資産税」が発生しますが、墓地や霊園を取得した場合には、登記の必要がなく非課税扱いになります。その理由として土地の所有権は墓地や霊園にあり、永代使用の権利を取得しただけだからです。
 また、お墓を相続した時も「祭祀財産」の継承になり、祭祀財産は相続財産に含まれないので相続税の対象にはなりません。それゆえ、生前に寿陵を取得しておけば、その分相続財産が少なくなり、節税対策になります。
 こうした税制のメリットに加えて、経済的にゆとりのある時期にお墓を用意しておくと、気持ちの上でも充足感が得られるなどの理由から、生前にお墓を購入する人が増えてきているようです。