曹洞宗にはふたつの本山がありますが、それは次の通りです。
 福井県の永平寺(高祖 道元禅師開山)
 神奈川県の総持寺(太祖 瑩山禅師開山)
いづれも両大本山で曹洞宗の根本道場であり、信仰のみなもとです。この両本山を中心に曹洞宗は全国に約1万5千ヶ寺、約1千万以上の檀信徒により外護されているわが国最大の仏教宗派です。読誦される教典は「修証義」「般若心経」「観音経」などを用います。
 
曹洞宗の教義の中心は何といっても坐禅であります。
 道元禅師の教えの中で「坐禅は安楽の法門である。なにも考えないで教えられたようにだまって坐ればよい。坐った姿は仏様の姿であり、その心は仏様である。」とお示しになっておられます。つまり、一言で言うなれば釈迦牟尼仏の姿と心をそのまま受け継いだのが曹洞宗のおしえです。
 そして坐禅行のほか、日常生活における宗教実践として「懺悔滅罪」(はからいのわが身を愧じるおろかさのゆえになせる業を洗う)「受戒入位」(仏の子としてのおきてに従い、それを受け、守り、仏としてめざまさせてもらう)「発願利生」(尽きることのない苦悩の世界を救い、身を捧げると誓って人々に奉仕する)「行持報恩」(毎日の暮らしのなりわいの実践において生かされていることを感謝し、そのための行を積み重ねること)
四つの実践内容(四大網領)を曹洞宗の教えの標準としています。