「御忌(ぎょき)」とは、法然上人の祥月命日にその恩得を偲んで営まれる法会であり、念仏信仰を遍く広めた上人に感謝の気持ちを捧げるための行事です。
  「御忌(ぎょき)」という呼び名は、後柏原天皇の勅旨により法然上人の忌日法要にだけゆるされた浄土宗独特のものです。
 
  お釈迦さまの弟子、阿難尊者が焔口餓鬼(えんくがき)を餓鬼道から救出した故事により営まれるようになりました。本来仏道修行者は毎日修するべきものであり、僧侶の行中は毎日行われております。
 
 「聖徳大子が敏達天皇に奏上して行われるになった日本の国民的行事です。春秋の二期に催され、その中日は春分・秋分の日として国民の祝日となっています。一般には墓参の日と理解されますが、彼岸(浄土)へ到達したいと「願」を起こし、布施・持戎・忍辱・精進・禅定・智慧の六波羅蜜行じる日です。浄土宗では、真西に沈む太陽に極楽浄土の世界を憶念思惟する好季と捉え、念仏に励む日としています。
 
  お釈迦さまの弟子、目連尊者の親孝行の故事を起源とします。先祖供養などの感謝を表す行事が各地で行われております。
 
  法蔵菩薩が五劫思惟ののち大願を成し遂げ、阿弥陀仏と成られたことを祝う法要です。10月15日を結願として、十日間広大慈恩に酬いるために別時念仏を修する等、浄土宗各寺院で恒例的に厳修されますが、天台宗の京都真如堂は発祥の地として有名です。浄土宗鎌倉の光明寺も由緒ある十夜法要が営まれています。
 
  釈尊の降誕を記念して誕生仏に甘茶を灌ぎ遺徳を讃仰する法要行事です。「仏生会」「降誕会」「花まつり」ともいいます。
 
  お正月に修するおつとめです。新年にあたり世界平和、万民の安泰を祈り、また仏法興隆、壇信徒の繁栄を願うお勤めです。浄土宗に限った法要ではありません。
 
  お釈迦さまがご入滅された2月15日に追悼報恩のために修する法要です。寺では涅槃図を掛けて絵説き等が行われます。(入滅は入涅槃ともいう。本来涅槃とはニルバーナといい、迷いのなくなった境地を指す。この場合は、お釈迦さまが亡くなられた日をいう。)
 

  五重相伝会、授戎会、帰敬式、結婚式、成道会、写経会、放生会、節分会、開山忌、寒念仏、浄焚式、お見払い式、地鎮式、起工式、上棟式、落慶式、晋山式、鐘供養等々、各地各寺で、いろいろな法要があります。

 
 "お零膳"(おれいぜん)とも言います。普通はご飯と一汁、三菜の献立てで、図のように配置しています。料理はすべて動物性の物を避けます。これを精進料理といいます。
 お霊供膳を伴え、椀の蓋をとり、お箸も紙から出して図のように仏さまの側に置きます。箸は古い礼式ではご飯の上からつきさす事もありました。しかし今では横にする方法がとられています。
 和尚さんが来られる時は椀の蓋をかぶせたままにしておきます。お勤めの時浄箸作法(仏さまに食事を差し上げる作法)をされます。